ノイズ(雑音)除去と音声(音楽)編集−工房AOK

MP3 vs WMA 徹底比較!

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 ネット配信の代表的音楽ファイルとしてREAL(rm)、MP3(mp3)、WMA(wma)がありますが、
再生するプレーヤーが限定されるREALは除外して、MP3とWMAを徹底的に比較してみました。

 (1) 上限周波数(カットオフ周波数)と音質の関係
 (2) 「エンコードで削られた音」の比較

試聴いただき、上限周波数(カットオフ周波数)と音質の関係およびエンコードで削られた音をお確かめください。

【使用エンコーダ】 MP3:LAME Ver3.93、高ビットレート(192kbps〜320kbps)は午後のこ〜だ3(エンコードエンジンgogo.dll)
            WMA:Windows Media Encoder 7.1、高ビットレート(192kbps〜320kbps)はWindows Media Audio 9


T.上限周波数(カットオフ周波数)と音質の関係


    周波数分析(FFT)して、ビットレートごとの上限周波数(カットオフ周波数)を調査したもの。


元のwavファイル44.1kHz,16bit,ステレオ時間:15秒ファイルサイズ:2.7MB再生
※出所:サウンド編集ソフトDigiOnSound2付属のサンプルファイル「3track.wav」を引用。

音楽ファイルビットレート
320kbps256kbps192kbps160kbps128kbps96kbps64kbps
mp3上限周波数22.0kHz22.0kHz21.3kHz18.0kHz15.2kHz11.8kHz8.3kHz
ファイルサイズ613kB490kB368kB306kB245kB184kB122kB
再生
wma上限周波数20.1kHz20.1kHz18.7kHz18.7kHz17.6kHz15.4kHz12.8kHz
ファイルサイズ628kB503kB387kB324kB260kB196kB129kB
再生


【波形を見ながら視聴する】
  FFT波形を見ながら視聴できますので、音質と上限周波数(カットオフ周波数)の関係が
 確認できます。
  FFT波形画像には、上限周波数(カットオフ周波数)を表示しています。

● 元のwavファイル2.7MB




再生


● mp3 320kbps(613kB)




再生


● mp3 256kbps(490kB)




再生


● mp3 192kbps(368kB)------ このビットレート以上は、午後のこ〜だ3 を使用。




再生


● mp3 160kbps





     LAME Ver3.93(306kB)         午後のこ〜だ3(307kB)


● mp3 128kbps(245kB)------ このビットレート以下は、LAME Ver3.93 を使用。




再生


● mp3 96kbps(184kB)




再生


● mp3 64kbps(122kB)




再生


● wma 320kbps(628kB)



再生


● wma 256kbps(503kB)



再生


● wma 192kbps(387kB)------ このビットレート以上は、Windows Media Audio 9 を使用。



再生


● wma 160kbps(324kB)





 Windows Media Encoder 7.1(324kB)  Windows Media Audio 9(323kB)


● wma 128kbps(260kB)------ このビットレート以下は、Windows Media Encoder 7.1 を使用。



再生


● wma 96kbps(196kB)



再生


● wma 64kbps(129kB)



再生



U.「エンコードで削られた音」の比較


    サウンド編集ソフトの「極性反転(逆位相)」機能で、エンコードにより削られた音を抽出したもの。
    (MP3、WMAをWAVE形式にしてから極性反転(逆位相)させ、元のwavに50:50でミックスすることにより抽出)






縦軸(音量)を見やすいように拡大した時間波形
(ステレオをモノラル表示にしてます)





高ビットレート(192kbps〜320kbps)の時間波形
(ステレオをモノラル表示にしてます)

ファイル形式はすべてWAVで、ファイルサイズは2.7MBあります。
音楽ファイルビットレート
320kbps256kbps192kbps160kbps128kbps96kbps64kbps
mp3再生削られた音
音量アップ
wma再生削られた音
音量アップ
備考)音量アップは、ピーク値で−6dBに調整。

【波形を見ながら視聴する】
  FFT波形を見ながら視聴できますので、「エンコードで削られた音」と周波数の関係が
 確認できます。
  FFT波形画像には、大きく削られた境界周波数を表示しています。

● 元のwavファイル2.7MB




再生


● mp3 320kbps(wav 2.7MB



削られた音

音量アップ


● mp3 256kbps(wav 2.7MB



削られた音

音量アップ


● mp3 192kbps(wav 2.7MB



削られた音

音量アップ


● mp3 160kbps(wav 2.7MB



削られた音

音量アップ


● mp3 128kbps(wav 2.7MB



削られた音

音量アップ


● mp3 96kbps(wav 2.7MB



削られた音

音量アップ


● mp3 64kbps(wav 2.7MB



削られた音

音量アップ


● wma 320kbps(wav 2.7MB



削られた音

音量アップ


● wma 256kbps(wav 2.7MB



削られた音

音量アップ


● wma 192kbps(wav 2.7MB



削られた音

音量アップ


● wma 160kbps(wav 2.7MB



削られた音

音量アップ


● wma 128kbps(wav 2.7MB



削られた音

音量アップ


● wma 96kbps(wav 2.7MB



削られた音

音量アップ


● wma 64kbps(wav 2.7MB



削られた音

音量アップ



V.まとめ


    1.ビットレートと上限周波数




・160kbpsを境にして、「低ビットレートではwma」
 「高ビットレートではmp3」の方が上限周波数が高い。
・wmaの高ビットレートは、階段状に上限周波数が変化する!
 (160kbpsと192kbps、256kbpsと320kbpsの上限周波数は同じ)

    2.ビットレートとファイルサイズ




いずれのビットレートにおいても、
ファイルサイズは
mp3の方がやや小さい。


    3.波形の特徴
       wmaとmp3の波形を比べた場合、波形自体に多少の差はあるものの大差がなく、
      音質は圧縮ビットレートによる上限周波数によりほぼ決まるものと推定される?

    4.上限周波数と音質
       上限周波数と音質の相関が極めて強いと仮定した場合、
        ・wmaの96kbpsとmp3の128kbpsは同程度の音質
       と言える。

    5.ファイルサイズ
       ネット配信においては、音質もさることながら、ファイルサイズも重要です。
       ファイルサイズが大きいと、転送途切れによる音飛びやノイズが発生しますので、
      同程度の音質であればファイルサイズが小さい方を選択すべきでしょう。

    6.ネット配信用音楽ファイルとビットレート(推奨)
       ほぼ同程度の音質で配信することとすると
        ・Windowsユーザーなら wma  96kbps
        ・Macユーザーなら     mp3 128kbps
       音質重視なら、上限周波数もほぼ同じ
        ・wma 160kbps
        ・mp3 160kbps
       あたりが妥当な選択と思われます。

    7.CD並の音質を欲するならMP3の高ビットレートがお勧め!
       ファイルサイズをあまり気にしなくともよいHDなどの環境で使用するなら、
      MP3の高ビットレート(192kbps,256kbps,320kbps)がお勧めです。




【更新履歴】 2005.8.10 高ビットレート(192kbps,256kbps,320kbps)を追加。

関連ページ: 音楽ファイルの音質改善 総括「音声圧縮方式と音質」 サンプリング周波数と音質 MP3とAACの音質比較! MP3とATRAC3plus/ATRAC3の音質比較!

初版:2003年10月1日  Copyright © 2003-2009 ノイズ除去&音声編集 − 工房AOK All Rights Reserved.  最終更新:2014年4月17日
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