この説明書は、「音声以外の音は全て消して欲しい」とのお客様の要望を受け開発した「音割れ修復技術によるノイズ除去(音声専用)」について説明するものです。

 お客様からの要望が多い「小さな声を聞き取りやすくする」唯一の方法は、小さな声が最大音量(0dB)になるよう録音することです。
 ただ困ったことに、このように録音レベル(マイク感度)を設定すると「大きな声は修復が不可能とされている音割れ」になってしまいます。
 この音割れさえ修復できれば、「小さな声を聞き取りやすくする」ことが可能になります。

 「音声以外の音は全て消す」ことを目標に開発した究極のノイズ(雑音)除去でしたが、驚いたことに「不可能とされてきた音割れも修復できる」ようになっておりました。
 この画期的な成果「音割れ修復」により、「小さな声を聞き取りやすくする」ことができるようになりました!

 以下の「音割れ修復とノイズ(雑音)除去」に対する認識を共有いただき、この「音割れ修復技術によるノイズ除去(音声専用)」を有効に活用ください。

1.最も多いお客様の要望

 当工房がお客様から受ける要望のほとんどが、「聞き取りにくい小さな声を聞き取れるようにして欲しい」と言うことです。

2.音声の明瞭度は録音時に決まる!

 録音時の最大の問題は、音割れを恐れて「大きな声に合わせて録音レベル(マイク感度)を設定」することです。
 この結果、音割れは確かに生じませんが「小さな声が不明瞭」になってしまいます
【不明瞭な音声について】
 「不明瞭な音声」は日本語を形成する音素が欠落している(録音されていない)現象で、「声の大小」や「ノイズ」とは関係なく「音量を上げたり」「ノイズを除去」しても明瞭にはなりません!

(1)録音レベルが適正でない例

 小さな声を聞き取りやすくしたいのに大きな声に合わせて録音レベルを設定するのは、小さな声が十分に拾えず不明瞭にしてしまいます
 「無から有は生じない」の例え通り、音素が欠落した不明瞭な小さな声を明瞭にすることは不可能です。

(2)小さな声に合わせた録音レベルの設定

 小さな声を聞き取りやすくしたいのであれば、小さな声が最大音量(0dB)になるよう録音レベルを設定しましょう!
 この結果大きな声は、一般的に修復不能と言われる音割れを起こします。
 確かに音割れを修復するのは難しく、「Declipper」などのエフェクトにより軽微な音割れは修復できるようですが、大きな音割れは修復不能で実用になりません。
 でもご安心ください、当工房にお任せいただければ「音割れを修復して耳障りなノイズもきれいに除去」してあげます

(3)録音したい音声に合わせて録音レベルを設定する(重要なので再確認願います)

 音の大きさが最も一般的な「異音>大きな声>小さな声」になっている場合の、録音レベル(マイク感度)の設定方法です。

①大きな声を録音したいのなら、大きな声が最大音量(0dB)になるよう録音レベルを設定する。

 もし大きな声よりさらに大きい異音がある場合は、異音は音割れを起こしますがこの「音割れ修復技術によるノイズ除去」が丸ごと除去しますので何ら問題はありません。

②小さな声を聞き取りやすくしたいのなら、小さな声が最大音量(0dB)になるよう録音レベルを設定する。

 これに伴い異音と大きな声は音割れを起こしますが、この「音割れ修復技術によるノイズ除去」が音割れを修復してノイズもきれいに除去します。

③大きな声と小さな声の両方とも必要なら、小さな声が最大音量(0dB)になるよう録音レベルを設定する。

 ②と同じく、この「音割れ修復技術によるノイズ除去」が音割れを修復してノイズもきれいに除去します。

3.「一般的なノイズ除去」と「音割れ修復技術によるノイズ除去」の比較

 ノイズと音声が混在したデータから、ノイズを除去する方法の比較です。

(1)一般的なノイズ除去

 音声データの中からノイズのみの部分を採取して、そのスペクトル(周波数特性)を音声部分のスペクトルから減算処理してノイズを除去します。
【特徴】
 音声とノイズは(音の)周波数が完全に分離しているわけではなく、多くの周波数において重複しております。
 このような状態においてノイズを除去することは、音声からノイズと重複した周波数成分が削られ「ノイズを強く除去すれば除去するほど」音声が不明瞭になっていきます
●「文字起こし」は知っている!
 音声データを日常的に扱っているプロの文字起こし(テープ起こし、反訳)は、ノイズ除去が音声を不明瞭にすることを知っています。
 文字起こしする際は、容易に聞き取れる範囲は耳が疲れないよう「ノイズを除去した音声データ」を使用し、聞き取りにくい部分に対しては「ノイズを除去しない音声データ」を使用しているそうです。

(2)「音割れ修復技術によるノイズ除去」の方法

 種々雑多なノイズと音声が混在したデータから、AI(人工知能)がノイズと音声を識別して「音声データ」のみを抽出します。
 このサンプル【とわの約束 @ フリーBGM】ボーカルと楽器演奏を分離は音楽ですが、同じように音声(ボーカル)と音声以外の音(楽器演奏)を識別して音声(ボーカル)のみを抽出した例です。
 従いましてこの方法は、「ノイズ除去ではなく音声抽出」と言うのが正確な表現かも知れません。
【特長】
音質の劣化が無い。(不明瞭にならない
・ノイズの大小には関係なく、「音声さえ明確」であれば「どのような大きなノイズ」でも除去できる。

4.「音割れ修復技術によるノイズ除去」の音声編集

 この「音割れ修復技術によるノイズ除去」は、音割れ修復とノイズ除去以外にも「異音除去、音声明瞭化、音量調整など」音声を聞き取りやすくするのに必要な編集を全て含んだオールインワンの音声編集です。
 具体的には、音源を調査して下記のような編集を施行します。

(1) 音割れ修復&ノイズ(雑音)除去

 小さな声を不明瞭にさせないでノイズを除去する、このシステムの「根幹をなす機能」です。

(2) 音声明瞭化

・EQによる低音域を重視した明瞭化
 土台となる低音域をしっかりさせ、音声が貧弱にならないようにします。
・カクテルパーティー効果とMS処理
 会場の「ザワザワした音声を含む騒音」を、除去/低減します。

(3) 音圧アップ

 音声を明確にします。

(4) 「種々雑多な異音、反響音、リップノイズ、歯擦音、クリック音」など

 耳障りに感じる音は、必要に応じ除去/低減します。

5.音楽には適用できません!

 この「音割れ修復技術によるノイズ除去」は、「音声以外の音は全て除去して欲しい」とのお客様の要望を受け開発した音声編集で、「音声以外の音」には楽器演奏も含め除去対象にしております。
 従いましてこの音声編集は、音声専用で音楽は対象外になっております。

【編集サンプル】

 音割れ状態が分かるよう、短時間で拡大した波形にしてあります。
 究極のノイズ除去 マイク音割れ 雑音注意 編集前音割れ修復&ノイズ除去(音声専用)Sample:激しい音割れをきれいに修復!から抜粋した、各5秒間のサンプルです。

上:編集前

下:編集後